新型コロナが見せる本当の世界

緊急事態宣言が解除されてから約ひと月が経ちましたが、ここにきて、新型コロナの感染が再び拡大してきたようです。つい3か月前には学校閉鎖だ緊急事態宣言だと国を挙げての戦闘態勢だったのに、今ではすっかりコロナ慣れしてしまい、どこもかしこも人だらけです。日本の感染症対策は、検査数も少なく、どことなくちぐはぐで、とても成功したとは言えないと思うのですが、世界規模で見た感染に比べると破滅的といったレベルではない。それが、この奇妙な安心感を産んでいるのでしょうか。どこからどう見ても休業要請解除による感染の再拡大なのに、すっかり乗り切ったような気分で来るべき第2波への警戒ばかりを気にしているというのは、やっぱりおかしいと思います。 コロナ前、私たちは、満員電車に揺られて出勤し、あるいは学校に集まって授業を受け、飲食店でご飯を食べて、カラオケで飲んで歌って遊びました。映画や芝居を観に行ったり、音楽やスポーツなどのイベントをごく普通に楽しんでいました。休暇には国内や海外に旅行に行くこともできました。 それが一変しました。今後、私たちはコロナ前とまったく同じ生活はもうできない。変えなくては、変わらなくては生きてゆけないのです。 コロナは、私たちに隠されていた現実を見せてくれました。まずは、日本の行政力の情けないほどの弱さです。疫病という国民の命がかかった厄災に対し、日本は科学的で組織的、かつ機動的な働きができませんでした。政治家の思いつきのようなパフォーマンスを許し、ずさんな業務委託に依存していることが露呈し…

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アベノマスクに心がモヤつく理由

つい先日、我が家にも届きました。安倍総理が「布マスク2枚」を全国5000万世帯に配布すると発言したのは4月1日のこと。ほぼ2か月経ってようやく届いたわけですが、東京都は全国でも早い方だと聞いています。実家の話では、世田谷区の一部では総理の発言からすぐに届いたというから、ごみや髪の毛の混入発覚がなければもっと早くに届いていたかもしれません。 やっと届いたマスクですが、さてどんなものかというと。写真上がコロナ前に市販されていた大人用不織布マスク。下がアベノマスク。安倍総理や今井秘書官らが自ら着用モデルとなっているのでわかると思いますが、・・・やはり小さいですね。 周りの誰に聞いても「使わない」と言います。寄付する、リメイクする、大事に取っておく、いろいろですが、自ら使用するという人は稀。街で着用している人を見かけることもない。・・・あ、一人いたかな。駅で。 私も使わない。本当のことを言うと使いたくない。・・・なんだろう、このマスクに対する複雑な気持ち。いい機会なので、この気持ちを整理してみようと思います。 まずはデザイン。昭和テイスト満載です。私が子供の頃に家にあったマスクと同じ。この40年間、春先に多くの日本人が苦しめられる花粉症対策を背景に、鼻口をふさぎ湿気のこもる平面デザインから、呼吸や化粧崩れにも支障のない立体的なデザインへと進化しました。その性能とコスパは、春節で来日した中国人観光客が、段ボール単位で購入していくほどの折り紙付き。それなのに、なぜま…

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新型コロナ対応とリーダーたちの「発信スキル」

新型コロナの感染拡大防止のため、緊急事態宣言が発令されて早1か月。薄々感じてはいましたが、やっぱり延長することになりましたね。3月の突然の休校措置、突然の布マスク2枚配布と発注先疑惑、補償対応を後回しにした「休業要請」・・・。ちぐはぐな対策が思いつきのように繰り出されて、1ヶ月で目に見える効果を上げるはずが、結果、案の定「よくわからない」状態が続いています。 日本の対応方針って、大きくは間違っていないと思うんです。でも、方針から戦略、戦略から戦術となると、どうも心もとない。感染症の収束対策と収束後の経済復興(オリパラ含む)の二兎を追う、兵站(医療資材、医療人材)を軽視する、挙句に布マスク2枚を5千万世帯に配ると言って、未だ実現できていない・・・。まあ、言いたいことは山ほどありますが、それは後世にしっかり評価されることを期待したいと思います。 それよりも気になっているのは、普段よりも前面に出て国民、市民に自分の言葉で語りかけなくてはいけなくなった、国や自治体、そして専門家のリーダーたち。いつも思うんですが、日本ってどうしてハッキリとした指示が出せないんだろう。ロジカルにわかりやすく表現することが下手ですよね。 たとえば「3つの密」。3つの密がそれぞれ何を指すかはすごくわかりやすいんだけれど(密集・密接・密閉)、「3つが重なる場所は避けましょう」となると、3条件が重ならなければ大丈夫!ってことになりますよね。でも実際は、人と人との距離を空けること、それが難しければその時間を短くすることが重要…

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コロナの春、外出自粛の日々

いつの間にか散ってしまった今年の桜。新型コロナウィルスのせいで、世の中はすっかり変わってしまいました。 「外出を控える」がいったいどんなことなのか、実際にやってみるまではわからなかった。私は去年末で会社勤めを辞めてしまったのでハウスキーピングに徹することができますが、もし続けていたらどうなっていたでしょうか。共働きの皆さん、特に学童期のお子さんのいらっしゃる方のご苦労を想像すると、本当に頭が下がります。 緊急事態宣言に基づく行動制限がスタートしてから、平日休日関係なく家族4人が一日中自宅内にいる状態が始まり、2週間が経過しました。以前に比べると、だんだん生活リズムができてきたように思います。以下、書き留めておきます。 夫はリモートワーク、大学生長男は大学の授業とバイトとネットフリックスのドラマ鑑賞、大学生なりたての長女は買ってもらった新しいスマホでユーチューブ、そして授業履修に四苦八苦です。みんなノートPCやスマホを使って作業をしています。 朝は出勤していた時と同じ時間に起床し、朝食を食べ、簡単に掃除をします。9時半に近くスーパーが開店するので、1日分の買い物をしてしまいます。夕方に行けば安売りがありますが、朝一で行く方が空いているのです。子供たちは朝起きてこないことがほとんどですが、昼食と夕食は4人揃っていただきます。したがって、食材や日用品の買い物は確実に増えています。 自粛開始当初は、暇な時間にケーキやパンを焼いたりしていましたが、家から出られず運動ができないこの環境下では相当…

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続 受験の後も人生は続く

1ヶ月ほど間が空いたブログです。 前回、娘が浪人することについてあれこれ考えた結果、彼女の選択を尊重して支援していくことを書きました。3月に入り、コロナウィルスのせいでかなり省略された卒業式を済ませ、予備校への入塾手続きも完了。ところが、3月も終わらんとする頃になって、第2希望だった大学から補欠合格の通知が来たのです! そんな奇跡みたいなことって、本当にあるんですね・・・。あわてて入学手続きを済ませ、娘は晴れて大学に滑り込むことができました。とはいえ、引き続き外出自粛や休校措置は継続しているので、大学のオリエンテーションも新歓イベントもすべて休止。同学年に誰がいるのかもわからず、かわいそうではあります。 この新型コロナウィルス禍は、世界を変えてしまうでしょう。今はとにかく、感染による被害を最小限に食い止めることが重要で、全力で取り組まなくてはなりません。感染力が強いから、自国だけが収束に成功しても、世界のどこかで蔓延していたら意味がない。私たち人類は、生き延びるため行動様式を変えなくてはいけなくなるかもしれません。社会も文化も経済も、去年までの常識が通用しなくなるのではないか、そんな気がしています。

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受験の後も人生は続く

娘の大学受験が終わりました。滑り止めには引っ掛かりましたが、希望する大学は全滅。結局彼女は浪人を選びました。 こればかりは親にもどうにもできませんね・・・。 最初は浪人生活の辛さ、デメリット、リスクを語り、進学した場合の将来性や可能な選択肢を提示したのですが、本人にその気がなければ、早晩行き詰まることも見えていました。見ないようにしていた自分の甘さが、最後にしっかり現れた受験結果でした。 やり直したい、もう一度チャレンジしたいというのが、彼女の出した結論。彼女の人生ですから、あとは自分の力で頑張れ、と言って背中を押したいと思います。 子供が悩んで悩んで成長しているのを見るのは、心配であると同時にどこか嬉しいものですね。努力が実ってストレートに希望をかなえていければいいのでしょうが、人生努力したって手に入らないものはあるし、理不尽な理由で辛い思いをすることだってある。今世界的な問題となっている新型コロナウィルスは、確実に人々の人生を変えています。何が起こるかわからないけれど、あとから最善の選択だったと思えるように、力を尽くしていくことが大事だと思いました。

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女子社員30年の変遷

上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください! - 上野 千鶴子, 田房 永子, 田房 永子 「上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!」(大和書房)という本を読みました。対話している上野千鶴子先生は1948年生まれの団塊の世代、漫画家の田房永子さんは団塊ジュニア、1978年生まれです。お二人の話には、「そうそう、そうよね!」と共感することも多かったのですが、私は彼女たちのちょうど真ん中の世代。自分自身の経験を挟むと、お二人の世代間ギャップが埋まる感じがして、面白く読むことができました。 田房さんは、母親から「手に職をつけろ」「仕事を持て」と言われると同時に「結婚して子供を産め」と言われ、どうすりゃいいんだ!と反発したといいます。これは、彼女よりちょっと上世代の私も同じでした。高卒で専業主婦だった母が娘である私を4年制大学に進学させてくれたのは、娘に経済力をつけさせたかったのだろうと感じていました。折しも当時はバブル経済真っ盛り。しかし実際のところ、女子の就職は必ずしもよいものではありませんでした。 まず、短大卒の女子に比べ大卒女子の就職は相変わらず厳しかった。男女雇用機会均等法が施行され、これで女子も腰掛でなく、男子並みに働くことができるんだという意識が広がりました。好景気に沸く企業もこぞってコース別採用という制度を作りましたが、男子と同じ総合職コースで採用される女子は超エリート。総合職採用が100名あったとすれば、そのうち女子は2~3人といったところでした。で、その…

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歯が割れた話

(写真は本文と関係ありません♪) 歯科医に通ってます。昨年の秋のことでした。何か奥歯が痛むなあ、虫歯かなあと思って、かかりつけの歯医者さんに診てもらいました。そしたら何と!歯が割れていたのです。それも根元まで縦真っ二つに!あまりにも見事に割れていたので、いったいどんな負荷がかかったらこんな風になるのかと、感心してしまいました・・・。 結局割れた歯は抜かざるを得ず、そこだけぽっこり歯抜け状態となりました。 さて、これからどうするか。ダミーの歯を入れてブリッジにするのか、インプラントにするのか、いずれにせよ退職したばかりなのにお金がかかるなー(苦笑)とそれなりの覚悟はしていたのですが。 実は、私の強すぎる歯の咬み合わせについては、以前からさんざん指摘されてきたところでした。寝ている間も歯を食いしばっているらしく、摩耗し削れているうえに、すでに私の歯には縦に何筋ものヒビが入っているとのこと。ネットで調べると、いわゆる「ディープバイト」というものらしい。歯医者さんは、抜けた部分だけをどうこうしてもまた同じことが起きますよ、根本的に治していかないと別の歯が欠けたり割れたりするリスクは高いですよとおっしゃいます。 これを矯正するためにいろんな方法があるみたいなのですが、私の歯医者は奥歯全体を嵩上げして深すぎる咬み合わせを緩和させる方法を提案してきました。奥歯の上下左右4本ずつ計16本(正確には1本抜けているので15本)の歯を芯だけ残して削り、一本一本に金属を被せて補強した後、その上から正しい咬み…

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「人生100年時代」の罪

リンダ・グラットン先生の「LIFE SHIFT」の表紙に踊っていた「人生100年時代」というキーワード、すっかり定着しているようですね。 グラットン先生のおっしゃることに異論はなくその通りだとは思うけれど、でもこの「人生100年」って言葉がすごくイヤ。なんでこんなに嫌な感じなんだろう。 かつて定年は55歳だったけれど今は60歳。さらに70歳以上でも「働ける」ようにしていくとか。長生きする人が増えたので、年金制度が破綻しないように定年制を廃止して、健康な人はいつまでも働いてくださいね、ということですね。わかりますよ、私も個人的に、人間としてそうありたいと思います。 でもね、それを制度を作る側が前提にしちゃいけないんじゃないか。だって今の現場には、60歳を超えたシニア社員がいつまでも生き生きと働けるような環境もマインドもありません。企業は、制度上定年が60歳に延長されたことについていくだけで精一杯で、これからどんどん増えるであろう高齢社員をどのように処遇し活用していくかといった対応も、ままならないのが現状だと思います。 こんな私でも、自分は比較的仕事に意欲的に取り組む方だと思っていたし、ストレス耐性もある方だと思っていました。でも45歳過ぎた頃から、自分がだんだん保守的になっていくのがわかってきます。記憶力や判断力の減退を自覚するようになります。そして、業務上の進め方にしろトラブルにしろ、このパターンならこう、あのパターンならこう、というように、過去の経験に当てはめた解決方法を使うよう…

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専業主婦への道

あけましておめでとうございます。2020年、新年がスタートしました。 会社員生活30年にいったんピリオドを打ち、無職となった私に課せられた次なる挑戦は、「夫の扶養に入ること」。面倒くさそうな手続きが待っています。 去年の正式な退職日に、会社に行って「退職オリエンテーション」に参加してきました。といっても、当月退職したのは私一人。人事×2対私で、一応和やかなムードでしたが・・・。 きっと「会社が人手不足で忙しいときに戦線離脱するなんてなあ」と思われていたんだろうなあ。でも仕方ないじゃない、こっちにも事情があるんだよ!と思いつつ、ひたすら低姿勢で「本当にお世話になりました」「ありがとうございました」です。 何か質問はありますか、と聞かれても何を聞いたらいいかもわからず、税金や退職金について説明を受けてハンコを押して、30分くらいで終了してしまいました。 会社への所属から離れると、「年金」「健康保険」「税金」は自分自身で手続きしなければならないんですね。就職した22歳からずっと会社にお任せしてきたわけですが、これからはしっかり管理しないといけません。とりあえず「離職票」を持って、雇用保険の受給手続きにチャレンジしたいと思います!

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退職後に必要なもの

退職して1ヶ月半が過ぎました。結構規則正しく過ごせているかな。朝・昼・晩のおさんどんに加え、週3回の運動、週2回中国語を習い始めて、何もすることなくてポッカリ。。。みたいなことは今のところありません。 会社から離れてみて改めて思うのは、自分の居場所の大切さ。会社勤めが生活の中心だった頃は当然職場が居場所だったわけですが、退職すれば別の居場所が必要になります。おじさん達が定年を迎えると、会社中心で趣味のなかった人が慌てて趣味探しに走ったりする話をよく聞きますが、これ、定年近くまで働いてきた女性にも似たようなことが起こると思うのです。 私の勤めていた会社で、周りの女性とそんな話をしたことがあります。会社の外にも自分の世界を持っている人も意外と多いんですね。子育てを通じたサークルに参加していたり、音楽やスポーツを続けていたり。私も、テニススクールに8年以上、ジムにも2年通っており、近所に知り合いができたのは居場所的にとてもよかったと思っています。 でも中には、自分の中で仕事が占める割合は95%なんていう人もいました。「仕事が忙しくて疲れちゃって、休日はずっと寝てるの。」うーん、人それぞれだけど、50歳過ぎてその働き方では体壊しちゃうよ・・・。 日経の記者だった野村浩子さんの『定年が見えてきた女性たちへ』によると、60歳定年までのカウントダウンが始まる50代中盤からが一番辛いそうです。かつて女性は、結婚、出産で仕事を辞めることが多かったが、そのようなライフイベントを乗り越えて働き続ける人は確実…

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通勤のストレス

ついに始まった、あこがれの(?)退職後の日々。慌ただしい朝の準備や満員の通勤地下鉄から解放され、晴れていれば洗濯もう1回、回そうかなーなーんて。もう元には戻れない体になりました。ただ、子供の弁当作りは変わらないので朝5時起きは続きます。最初の1~2週間は、辞めたら絶対やろうと思っていたことを予定として入れまくっていたので、割と忙しかったですけど、4週間もたった今は、さーて今日は何しようかなあ、となってます。改めて感じるのは、あの朝のラッシュ。すごいストレスだったんだなあ、と。バスや地下鉄の通学通勤を通して、いろんな人々がいましたね。バスでは、他の乗客を恫喝するヤバいオッサンに何度か遭遇したことがあります。ワンマンバスで運転手がすぐに対応できないのをいいことに、何が気に入らないんだか怒鳴り散らしてて怖かった。地下鉄では、圧倒的に痴漢!ケツに置かれた手を払おうとしたら、こちらの手を握られたり。周囲の人々がドン引きして注目しているのに気がつかず、いい年したオヤジがOLさんにぴったり身体を押し付けて夢中で腰を動かしているのを見かけたり。朝から不愉快な思いをしながら、よく通いました。フレックスとか時差出勤とか、もっと普及させるべきだと思いますね。その方が仕事のパフォーマンスにいいですもん、絶対。

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退職しました

定年まで6年を残して、退職を決めました。現状に不満があったわけではありません。仕事に問題はなかったし、人間関係も良好、収入もそこそこ悪くはない…(かえってそこが最後まで悩みどころでした)。 でも。 30年間ずっと勤め続けてきて、一旦立ち止まってみたいと思ってきたのも事実。新しいことを始めてみたい、それなら少しでも若くて元気なうちがいい。定年を迎えたとき、私は60歳。果たして人生のシフトチェンジはできるだろうか、そう考えると、生涯収入を多少犠牲にしても自分に投資した方がいいんじゃないか。そんな風に思うようになりました。 子供は大きくなった、夫の仕事はまあ順調、両親の含め家族の健康状態にも今のところ問題なし。 この選択が正しいかどうかはわかりません。でも、もう決めちゃった。頑張るしかありません。

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