新北投で温泉体験

新北投は、台北市中心部からMRTで約30分という近距離にある、陽名山の麓に広がる温泉街。1893年にドイツ人によって温泉が発見され、日本統治時代には日本の温泉文化が流入、一時は廃れたものの台湾有数の湯治場として発展した歴史を持つ温泉リゾートです。その立地の良さからか、私が訪れた日も、北投温泉の歴史と温泉を日帰りで楽しむお客さんがたくさん来ていました。 MRT淡水信義線の北投駅で一旦降りて、すぐ隣駅である新北投駅行きの支線に乗り換えます。これって・・・そう。西武池袋線の練馬駅で乗り換える、としまえん行き電車と一緒ではありませんか。新北投行き電車は車両も短く、北投温泉の紹介ビデオが流れていたり、風呂桶を持ったくまモンみたいなキャラクター人形が置かれていたり、まさに観光電車です。そして新北投駅を降りると、温泉ホテルのビルが林立する、どこか熱海のような温泉街の風景が広がっていました。 改札のすぐ横の公園には、かつての木造の旧駅舎と列車の車両が展示されています。戦前は、観光客や湯治目的の軍人さんたちが、台湾鉄道に乗ってここに来ていたんですね。北投公園沿いに歩いていくと、緩い坂道、山の上に続く細く急な階段、といった温泉地には欠かせないおなじみの風景を見ることができます。 レンガ建築でステンドグラスが美しい「北投温泉博物館」は、1913年に落成したかつての「北投温泉公共浴場」。入場料は無料です。内部は、大浴場や小浴場のほか、畳敷きの宴会場や外の風に当たって涼むことができる外廊下があったりと、松山の道後温泉…

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台北二二八紀念館を訪ねて

台北の街を歩いていると、台湾総統府を始めとする日本統治時代の古い建築物がいくつも残っていて、歴史を感じることができます。台湾の近代史は日本の存在が大きく影を落としている、そのことはよく知っているつもりでいたのですが、改めてレンガ色の欧風の建物を見ていると、台湾の歴史について自分自身があまりにも無知であることに気づかされます。せっかく台湾で暮らすことになったわけですから、しっかり台湾の歴史についても勉強して理解したいと思っています。 MRT「台大醫院」駅を出たところに、「二二八和平公園」があります。台湾で2月28日は「和平紀念日」、国の定めた休日です。公園内には「二二八紀念館」というミュージアムがあり、1947年に発生した「二二八事件」についての歴史的資料と、虐殺されたり迫害を受けたりした人たちの鎮魂のためのアートが展示されています。 台湾は、1945年の日本の敗戦に伴い解放されましたが、その後中国本土からやってきた蒋介石率いる国民党政府による統治がずさんで抑圧的だったために、治安は悪化し物価は高騰、庶民の不満が高まっていきます。1947年2月27日、闇たばこを売っていた寡婦に対し取締官が暴行、さらに取り囲んだ通行人たちに向け発砲し死傷事件に発展。翌28日、民衆は行政院長官公署を包囲し当該取締官の引き渡しを要求しますが、憲兵隊が民衆に向け一斉掃射、事態は悪化しました。抗議する人々は、二二八事件の発生を台湾広播電台(台湾ラジオ放送局)から台湾全土に向けて伝え、民衆の蜂起は台湾全土に拡がりました…

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日々の食事について

昨日、今日と、ひたすら眠い・・・ここに来て、旅の疲れが出てしまったようです。初めての海外生活で、無意識のうちに緊張していたんでしょうか。本格的に台北で生活を始めてやっと半月、今回は日々の食事についてあれこれ感じたことなどを書いてみたいと思います。まあ、あくまでも台湾生活初心者の感想なので、その辺は割り引いてください。 台北生活の中で、安くて助かるのは、水道光熱費、公共交通機関やタクシー、そして地元小吃店での外食。なので、こちらに来る前は、毎回外で済ませてしまえばいいんじゃないかと安易に考えていました。ガイドブックを見ても食べ物のことばかりですしね。「るるぶ」「まっぷる」でも、小籠包から始まって、牛肉麺、水餃、ネギ餅や包子など、小さなお店のB級グルメまでたくさん載っています。確かに、これは本当に美味しいです。それに、「大戸屋」「丸亀製麺」「サイゼリヤ」などなど、日本の外食チェーン店も数多く出店しているので、和食だって洋食だっていつでも食べられるんです。 でもね・・・毎回外食って飽きるんですよ。選ぶのに疲れるというか。それに、栄養バランスを考えて和食の定食にしようとすると、若干割高。やっぱり、日々、いろいろな種類の食事を摂りたいと思ってしまいますよね。 なので、夕食はできるだけ家で作ることにしました。ただし、食材は決して安くないです。輸入品が多いし。特に、魚や牛乳は日本より高いような気がします。どうしても大手スーパーや日系デパートのお世話になってしまうからなのでしょうか。市場などで交渉すれば安く…

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台湾のマスクいろいろ

台湾の新型コロナウィルス対策は世界的にも厳しいと言われていますが、普通に暮らしている限り、日本とそう大して変わりはありません。うるさいですけどね。NHKの国際放送を見ていると画面の上部に「マスクをしましょう」という政府広報(?)が流れていたり、スーパーでもしょっちゅう館内放送で「マスク着用をお願いします」とアナウンスされていたり。特に公共交通機関は、利用する時にマスクをしていないと改札を通ることすらできませんが、まあ駅は混んでいるし、レジの行列のソーシアルディスタンスは適当だし、窮屈に感じることはあまりないです。 日本と違うなと思ったのは、マスクです。日本のマスクといえば、カラフルなのは立体型のウレタン製や布製で、こちらを着用している人が割と多く、使い捨ての不織布マスクは白もしくは水色ばかりだったように思います。 台湾では、ほとんどの人が不織布マスクをしています。でも、色やデザインがたくさんあっておもしろい。クリスマスにはクリスマス柄の、春節にはおめでたい春節柄のマスクが売られています。「鬼滅の刃」の市松模様のもありました。故宮博物院の学芸員スタッフも、お揃いのデザインマスクをしていました。街中の薬局の店先には、こんな色とりどりのマスクが置かれていました。ひと箱30枚入りで200元から350元くらい、日本円で780円から1,350円といったところでしょうか。 日本でも、カラフルで素敵なデザインの不織布マスクが出てくると、また少し、人々の口元が賑やかになっていいんじゃないかと思います。 (追…

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湿気との闘い

台北の冬って・・・確かにお天気悪いですねえ。ぱあっと晴れる日もあるんですけど、雲の動きが速いのか天気が変わりやすく、曇っていることが多いです。雨も降りますが、しとしと降るような感じで、土砂降りになることは少ないようです。 気温は、今2月ですが、日本の春から初夏くらいのイメージです。寒暖差も大きく、昼間は25度以上あっても夜は10度まで下がるということもあり、天気予報では「低温注意報」が出ていたりします。雨対策も含めて、薄手のジャケットは必要ですね。 一番困るのが、洗濯です。乾かないんですよ、洗濯物が。私が住んでいるアパートメントには小さなベランダがあって、そこに洗濯物を干すことができるんですが、柱があって直接陽が入らない。なので、湿度が高い日は取り込んだ後も部屋干し必須です。 ただ部屋干しは、湿度を上げたくないからあまりやりたくないんですよね。前にも書いたように、放っておくとカビにやられちゃう。あれ以来うちでは、毎日除湿器を6時間回し、クローゼットには大量の乾燥剤を設置して、除湿に気を付けるようにしています。カルフールに行くといろいろな種類の乾燥剤が売っていたので、湿気と闘っているのは台湾人も同じなんだろうと、励まされる感じです。写真は、ハンガー掛けに吊るすタイプの乾燥剤。錠剤が湿気を吸って水になるやつですが、2週間で半分も溜まってしまいました。恐るべし。

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台北で過ごす春節2021

      (初詣で賑わう龍山寺 2021年2月12日) 台湾の2021年の春節は、2月10日から16日までとなっています。春節は旧正月である2月12日を挟んだ1週間がお休みになります。西暦の1月1日も休日で、特に大晦日の夜は「跨年」といって野外ライブがあったり花火を打ち上げたりしますが、休日は元旦の1日だけ、2日からは平常通りだそうです。1月1日を友達と騒いで過ごすのだとしたら、春節は実家に帰って家族と一緒に静かに過ごすもの、という感じだそうです。 日本ではすっかり旧暦を使わなくなってしまいましたが、中国をはじめとする東アジアの国々では旧正月の時期を春節と呼んで連休にしている国々は少なくありません。時期も毎年違います。確か昨年の旧正月は、武漢で謎のウィルスが発見され世間を騒がせ始めた1月25日でした。 春節前になると、街には赤と金を基調にしたお金や爆竹、新年の干支などをモチーフにした飾りや提灯、縁起の良い言葉の書かれた短冊などが店先やドアの横に吊るされたり貼られたりして、とても華やかになります。マンションのエントランス前もこんな感じです。これらの飾りは大小さまざま、スーパーや露店、ネット通販でも売っています。 春節の期間、多くの飲食店や商店はお休みになってしまいますが、デパートや飲食チェーン店などは、時間短縮をするくらいでずっと営業しています。ただ、旧正月の前日、日本の大晦日に当たる「除夕」だけは、夕方早い時間に閉まってしまうとのこと。カルフールで食材を購入して、この日は家でまったり食事…

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台北の地下鉄MRT(捷運)に乗ってみた

新型コロナの検疫期間(14日間の隔離+7日間の健康観察)すべてが終了し、やっと公共交通機関に乗れるようになりました。折しも日曜日、天候は晴れ。これまで行けなかった、少し遠くの観光スポットに出かけてみることにしました。 台北散策に便利なのは、市内を縦横に走る地下鉄「MRT」です。こちらでは、捷運(ジエユィン)と呼びます。チャージ式プリペイドカード「悠遊卡(ヨウヨウカ)」を使えば、いちいち切符を買わなくてもパスモやスイカのように改札を通ることができます。市内の主要スポットであれば片道NTD20~25なので、だいたい80~100円くらい。東京の地下鉄だと最短でも170円ですから、安いですよね。 MRTの車内では飲食禁止となっていて、水を飲んだり飴やガムを口に入れるのもダメだそうです。罰金が科せられるとのこと。さらに最近は、マスクを着用していないと改札を通れません。改札にはサーモカメラが置いてあり、大きい駅になると係員が改札の横に立っていて、乗客をチェックしていました。車内は、休日だったせいか結構混んでいて、東京なら「密だね」という状態。ただ、マスク着用率はほぼ100%です。車体は割と大きくて清潔、よく見ると「川崎重工」のプレートが。ちょっと嬉しいですよね。 さて、向かった先は「台北101」。台北101/世貿駅を降りると、ここは中山や西門の周辺とは異なり、まさにビル群。幕張メッセみたいな感じです。大きな見本市会場もあって、アニメ関係のイベントに多くの人が集まっていました。うらやましい限りです。 台…

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東京五輪森会長の発言で思うこと

台湾ライフを発信するために立てたブログですが、日本発のこんな国際ニュースが流れてきたので取り上げたいと思います。 [東京 4日 ロイター] - 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は4日午後、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」とした自身の言葉が波紋を広げたことを受け会見し、発言を撤回した。会長を辞任する意向は否定した。インターネット上や街では厳しい声が相次いでいる。森会長は記者団を前に会見し、「オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な発言だったと認識し、深く反省している」と謝罪した。辞任の意向を問われた森氏は「自分からどうしようという気持ちはない」と答える一方、「邪魔だと言われれば、おっしゃる通り、老害が粗大ごみになったのかもしれませんから、そうしたら掃いてもらえばいいのではないか」と語った。前日の同会長の発言は国内外のメディアが報じ、ソーシャルメディア(SNS)上では女性蔑視との批判が広がった。森会長は3日、日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会に出席。共同通信によると、「女性理事を選ぶっていうのは文科省がうるさく言うんです。だけど、女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」と発言。「女性っていうのは競争意識が強い。誰か一人が手を挙げて言われると、自分も言わないといけないと思うんでしょうね。それで、みんな発言される」とも語った。**************** もう、突っ込みどころ満載というか。 既に世の中は、「会議で意見を言わないのは出席してい…

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台北の街を歩いてみる

まだ検疫期間が正式に終了しておらず公共交通機関には乗れないので、毎日テクテク歩いている筆者、あこです。 冬の台北は曇ったり小雨の日が続くので、太陽の出る日は洗濯のチャンス。そう、台湾の湿気はあなどれません。先日、クローゼットに掛けておいたジャケットが気がついたら白カビだらけになっていたので、それからというもの乾燥機をかけるようにしているくらいです。 洗濯を干したら、行ったことのない場所を目指して街中を散策。行きたいエリアを決めてぐるっと回って帰ってくるだけですが、土地勘を養うには歩くのが一番いい感じがします。グーグルマップ見ながら、ついでにポケモンGOもやりながら歩いてます。 それにしても台湾のガイドブックって、食べ物と買い物のことしか載ってない。小さな公園とか記念碑とか神社とか、街の中に溶け込んでいる風景を解説してくれるものはないものかしら。2泊3日くらいで効率よく回るには仕方ないけど、もうちょっと、こう、街歩きの楽しさを喚起するような紹介があるといいですよね。 これは、先日街中で何気なく撮った風景写真。日本で台湾華語を教えてくださっていた先生とは今もラインで繋がっていて、先日この写真を送りました。先生は日本人と結婚して東京で暮らしている台湾人。このコロナのせいで、たぶんもう2年くらい里帰りができていません。建物の窓の外側にはまっている鉄格子や冷房の室外機を、「ああ、懐かしい台湾の街景」と、とても喜んでくれました。

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検疫隔離期間終了、你好台灣!

ホテル隔離期間が終了しました!(パチパチパチ)ホテルからは、写真のように検疫修了証書と記念品としてアメニティグッズをいただきました。 とはいえ、あと1週間は警察から健康状態に関する質問がショートメッセージとして届くし、地下鉄(MRT)とバスには乗ってはいけない、とのこと。仮釈放みたいなもんでしょうか。それでも、外の風を感じられることは嬉しいものですね。やっと海外生活が始まったような気がします。 夫が先に入居して暮らしているアパートメントに到着し、さっそく荷ほどきして洗濯。お昼前だったので、そのあとは食事と買い物に出かけました。 最近台湾では新型コロナの感染者が徐々に増えて死者も発生しており、春節を控え「厳重警戒」が呼びかけられていますが、繁華街では人出も多く、ほとんどの人がマスクをして歩いています。マスクといえば、供給が逼迫して購買制限がかかっていた時期に、IT大臣オードリー・タン氏が市内薬局のマスク在庫がわかるアプリを市民に提供して話題になりましたが、今はどこのお店でも箱単位で買うことができるみたいです。公共交通機関に乗るときは、マスクをしなくてはいけません。地下鉄の改札にはサーモカメラが設置され、改札を通る人がマスクをしているかどうかチェックする人がいます。街のあちこちにポスターが貼られ、「マスクをしましょう」と大きく書かれたベストを着た人が歩いています。国民の自発的な行動に期待するのではなく、「ルールを徹底的に守らせる」のであれば、このような対応が必要ということですね。日本ではでき…

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